「伝える」ためのプロトコル
みなさんこんにちは!
今回のテーマ:「伝える」
マナーに関する話(「マナー」というプロトコル - 設計以前。追求日記)につづきまして、今回は「伝える」方法がテーマです。
コミュニケーションのなかでも、とくに「伝え方」は人それぞれですよね。話し方、文体などは、それぞれの人の魅力になっていたりします。コミュニケーション自体が目的の場合は、その違いが面白い。
そのうえで、あえて今回は「伝える」ことをテクニカルな面からとりあげます。
そして、伝える手段としてPREP法・ABC法という2つの話法をご紹介します。加えて、それらの話法に意識的になることで気づいたことも。
PREP法はとくに有名な話法みたいです。けれど、自分の場合、なんとなく名前だけは聞いたことがあっただけで、明確に意識するようになったのは入社してから。同じように、なんとなく知ってるけど…という方もいると思うので、簡単に書いていきます。
PREP法:説得力を持って簡潔に意思表明する
プレップ、と呼ばれるこの話法。由来は、以下の4つのワードの頭文字。
①Point(結論:最初に自分の立場を明確に!)
②Reason(理由:なぜなら〜だから=論拠)
③Example(具体例:たとえば〜のように=根拠)
④Point(再び結論:だから、自分の立場はこれ)
以上の順番通りに話を構成するのがプレップのやり方です。自分の意見を簡潔に、説得力を持って伝えるのに適した方法だと言われます。
近い話法だとSDS法というものもあるそう(Summary,Ditails,Summaryの頭文字)。
仕事をすすめていくなかで、自分の立場を明確にしないといけない場面で使います。プレゼンや質問などの際に有効そうですよね。
自分も、プレップを意識するようになってきています。
意識しないでいると、考えた順番で話して冗長になってしまったり、自分が何をいいたいのかわからなくなるときがあります。もしくは、正確に伝えようとするあまり、すべてのディテールまで伝え切ろうとして、結局は相手の時間を奪ってしまい、話も前にすすまないときも。
そんなことを減らしていくために、社内での意思疎通でもプレップを意識するようになってきています。
しかし、一番おもしろいな、と思ったのはプレップで伝えようと意識することで思考が整理されていくこと。たとえると、思考の締切日が決まる感じでしょうか。
次はABC法にかんして。
ABC法:複数人で良い解決法を導き出す
あまり耳慣れない話法ですが、プロセスは以下のようなもの。
いくつかの候補(候補A、候補B、候補C)があるなかで…
①私は候補◯◯が良いと思う(結論)
②なぜなら〜だから(論拠、根拠)
③あなたの意見はどうですか(質問)
これは、プレップの変奏といっていい話法だと思います。大きな特徴として、相手に意見を聞くことを話法に明確に取り込んでいることがあります。
自分が正しい答えを出そうとするのではなく、ひとまず判断し、立場を明確にする。次に、その理由を会話の相手に明示する。そして、しっかりと相手の意見を聞く。そんな流れです。
はじめにABC法を教えてもらったときは、つらいやり方だな、と思いました。なぜなら、複数の選択肢からひとつを選んで判断することに苦手意識があるからです。晩御飯なにがいい、と聞かれるとなんでもいいかなぁ、と答えてしまうタイプなんですよね、自分は…。
ですが、打ち合わせでそんなことはいっていられないので、ラフな考えでも明示することで全体の意見がデベロップしていくきっかけをつくるのが重要、と最近は開き直っています。
前提として
以上のふたつの話法は、とっても効果的だと思います。
されど、話法を共有・許容してくれるチームでないとうまくいかない。参加するメンバー全員が意識的になっていないと最大限の効果は発揮できない気がします。
とくにABC法は、互いの意見をうまく活用することを全員が意識できていないと、つづけるのは難しいんじゃないでしょうか。自分の立場を明確にすることで、相手に嘲笑されたり怒られたりするような環境だったら、話法がどうこうという次元の話じゃないですよね。
ということで、今回は「伝え方」をテーマにしてみました。
周囲の理解も得られればなお良いですが、自分が意識するだけでも、スムーズなコミュニケーションができるようになったり、思考に変化がでてきたりするかもしれません。
引き続きやっていきます。
それでは!