設計以前。追求日記

建築学び、不動産でいろいろやっているブログです

コンテクストのラスタライズ

先日、とある内覧会にお邪魔しました。

建築家、森元気さん設計の住宅を、見せていただいたのです。

bunka.aij.or.jp

 

「こんな所に住みたいな〜」

というユーザー目線のわくわくがあったのは勿論のこと、

デザインとコンテクストの関係について、少し思うことがありました。

森さんの意図とはまったく外れてしまっているかもしれませんけれど…。

 

 そんなわけで今回は森さんの設計した空間から連想した

「コンテクスト」という言葉を軸とし、まとめてみました!

とっても偏った見方になっております。お気をつけください(?)

 

設計課題の時よく、

「コンテクストを読め」

なんて言われたな…。うーん。

 

コンテクストの解像度を上げている?

お見せ頂き、まず思ったのは、土地のコンテクストを素材?にしているのだなぁ、ということ。(上のリンク先でも森さん自身、「ローカルなサンプリング」という言葉選びをされていますね。)

下の写真を見ていただきたいんですが、階段や擁壁は、もともと造成された既存のものだそうです。

そうした「微細でローカルな」状態が、「サンプリング」され、室内まで連続しています。

 

素材こそ変化するものの、「既存の造成」というコンテクストが、室内でも連続していく。

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道路側に面する大きな窓。「道路との高低差」というコンテクストを逆手にとった表現?

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森さん自身は、「ローカルなサンプリング」という言葉を用いられています。

あえて無理やりにコンテクストという言葉に寄せていくと、

コンテクストを「読み込んだ」設計であると同時に「高解像度で体験させる」設計になっていると感じました。

 

階段も、道路に面する大開口も、

既存の土地のコンテクストを読み込んだ結果のものであると同時に、そのコンテクストが持つ意味を引き出しているように思うのです。

どちらも、コンテクストから導かれたというだけでなく、コンテクストを最大限に体験するための仕掛けとして機能しています。

 

 

コンテクストをずらしている?

下の写真は、2階の一室の開口をとった写真です。

窓の向こう側に窓があり、その向こう側にまた別の部屋が見えます。

空間が重なり合う面白さもありますが、

ここでは「素材」というコンテクストのとり扱いが面白いと感じました。

 

塗装された壁。構造用合板の壁。「構造用合板という素材」の表現。

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この住宅の、むき出しの構造用合板は「仕上げのされていない構造用合板」ではなく「構造用合板という素材」のように見えます。

仕上げが施された面がある中に、むき出しのモノがあることによって、それが「素材」として認識される、のかもしれません。

 

空間構成の純度を上げるのとはまた異なる、不思議な抽象性が生まれているように思えるのです。

「素材」というコンテクストがずらされている、と言えるかもしれません。

 

構造用合板という素材。カーテンレールという素材。すこし遠くに、コンセントという素材も。かわいい。

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「素材というコンテクストがずらされている」ことにより、本来は仕上げが必要とされるであろう状態でも、むしろ「このままがいい」ということに。…なっている、と自分は感じました!

 

仕上げられた天井=抽象。それにより、塗り残された「材料」は「素材」に変貌?

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こうした「ずらし」は、とても面白いな、と感じました。

そして、とても自由だな、と感じます。

やらなくてはいけない、はずの仕上げがないことが新しい意味を獲得している。このことは、デザインすることの力・意味の一端じゃないでしょうか?

「こうでなければ」という息苦しさを乗り越えるために、デザインによるコンテクストの操作は「効く」のかもしれません。

仕上げということを、なんのことはなく「やれてしまう」ことより、数倍面白い状況が生まれている、と思いました。

 

コンテクストが、下部構造じゃないほうが

こうしたやり方は、コンテクストを「乗り越える壁」や、「設計の与件」としてしか見ない立場では生まれ得ないかもしれません。

そのどちらも、設計の下部構造として、コンテクストを定義しているからです。

それだと、かなり息苦しい感じがします。

そうじゃなく、コンテクストまで操作してしまうやり方がいろいろあるのだなぁと、森さん設計の住宅を見学し、思いました。

そのほうが、きっと楽しい。

 

わび・さび、まで行くと、コンテクストの操作も息苦しい?

さて、話はぶっ飛びますが、千利休さんのような茶人プロデュースによる空間は、とてもストイック(高解像度)かつ独自の秩序(ずらし)を持ちます。

コンテクストいじりの極地といいますか。

 

しかし、あまりにもストイック。多くの人が、すこし、不自由を感じてしまうんじゃないでしょうか(もちろん、その不自由さこそ大切なのだ、ということなのでしょうけれど…)。

コンテクストの解像度・ずらしは、行きすぎると結局、抽象的な、息苦しい世界へ逆戻りしてしまうように想像します。(実際体験すると違うんでしょうか…)

 

では、解像度、ずらしをどの時点で止めるべきか。

  

コンテクストのラスタライズ

難しいことですが、その部分が各デザイナーの倫理による所であり、持ち味なのですよね、きっと。なので、このことは一旦、棚上げしてしまいましょう(汗)

 

コンテクストいじりを止めるのは、画像加工の際の「ラスタライズ」に相当するように思います。

www.weblio.jp

 

後戻りできない状態に固定されてしまう、ということで、似ているなぁ、と。(あんまり用語本来の使い方に即していないかもしれないです。ごめんなさい)

どの解像度で、コンテクストをラスタライズ(≒固着させる?)するか。

 

 その判断が「効いている」空間は、新鮮な驚きと、もともとのコンテクストの活用を両立できるのかもしれません。

そんなことに気付かされた、空間体験でした。

 

 

 

「コンテクストを読め」って言っていた先生、

こういうことを伝えたかったのかなぁ…。 うーん。

 

 

 

不動産島サーチ2 「再建築不可」

本日は「再建築不可」というワードから建築と不動産をみてみます。

 

家探しの経験がおありになる方はご存知かもしれません!

不動産の売却図面を見ていくと、割安な物件の備考欄に時々「再建築不可」という記載があります。

そういった物件は、築年数の浅い住宅にはない雰囲気や、割安な価格、といった魅力を備えています。

 

また、再建築不可の物件は、建築設計を学んでいる人からすると、とっても魅力的な対象に見えるかもしれません。

今あるものを使い続けるというのは、ある種の正義感を揺さぶられるといいますか…。既存の環境を壊さないで、引き継いでいくというやり方は、賛同を得やすいように思います。

 

ただし、住宅づくりの主人公であるクライアントにとってはいろいろ問題があるようで…。

 

そもそもなんなの再建築不可

現在建物がたっていても、様々な事情で建て替えができない物件が「再建築不可」と呼ばれています。法律ができる前からたっていたり、もともと違法な建築だったりして、今の法律だと現状利用しか方法がないのです。

 

再建築不可の理由はいくつかあるようですが、どれも道路に関することのようです。

・条件を満たした公道に接していない

・公道に2m以下しか接していない

 

まとめると、接道義務を満たしていない

というもの。防災の観点からすると、道路に面していないというのは問題ですよね。

 

もちろん、私道に面した昔ながらの住宅など、法律的には望ましくなくとも、街の風情を作り出している場合もあり、一概に問題視するようなものでもないのかなぁ、と個人的には思ってしまいますけれど。

 

融資をうけにくい:お金をかりにくい

さて、もう少しクライアントの視点から話を膨らませていくと、

銀行の融資がおりにくい、という大問題があるらしいです。

なんででしょう。

 

それには「担保」になりにくいから、という理由がある模様です。

お金をかす側からしたら、いざとなった場合(考えたくないことですが、お金をかえしてもらえなくなったり、という場合…)に土地や建物を売ってお金を取り戻すしかない。

そんな状況になったときに、価値のない土地・建物では価格が安くなってしまい、お金がかえってこないことが想定できてしまいますよね。そのため、再建築不可の物件に融資すると、かなりリスクをとることになる。

そういった立場の方の話を聞くと、たしかに融資が通りにくいのも当たり前だなぁ、となってきますね。

 

融資と不動産の関係性に興味がおありの方は、以下のリンク先なども読んでみてください。具体的な条件というよりは、不動産がどのように評価されているのか、という視点でまとめられています。

借入基礎知識:担保編 ③不動産の評価方法と担保になりにくい不動産 | 経営ナビ

 

融資を受けにくいということは、自己資金で購入するという形になってしまうかもしれないわけですね。

もちろん、活用することが不可能ということではないようです。ただし同時にとてもハードルが高い部分があるのは間違いなさそうです。

 

建築確認確認を受けられない:大規模修繕などが難しい

www.house-support.net

適法でないので、建築確認申請をだすことができないんだそうです。

申請だしても通らないものなので、だせない。

すなわち、大規模修繕、増築などが難しい、という状況です。

 

それらのことが、わかりやすく記載されてるサイトがあったのでご参照ください。

再建築不可物件をリフォームして新築同様にできるのか!?

 

かなり網羅的にまとめられています。

どんな物件を購入するにもリスクはつきものですが…

なかでも再建築不可の物件は、

しっかりとした調査と、リスクへの合意が欠かせなさそうです。

 

観光客の視点から話をしても…

というわけで、再建築不可には、いくつものハードルとリスクがあることがわかります。

もちろん、うまく活用することで価値を作り出すことは間違いなく可能です。

武蔵境の家 | ケーススタディ | 創造系不動産株式会社

 

しかし、クライアントが通常の物件よりリスクを取る必要があることも間違いない。

雰囲気がいいとか、風情があるといったような、まるで観光客のような視点から言葉をつくしても仕方ないです。

 

実際にあるリスクを取り除いていくノウハウを積み重ねるほかないですが、どういう方法がありうるのでしょうね。調査方法なのか、法律の変化なのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

不動産島サーチ1 「不動産業 はじまり」

おひさしぶりです。

すこし期間があいてしまいましたが、今回から、より焦点を不動産業にしぼって、更新です。

 

しかし、残念なことに自分は知らない事がたくさんありまして。

よんでくださっている皆さんのほうが知識が豊富、なんてことはザラにあるでしょうから…不動産論、みたいなことはできないです。

なんてことを考えると、手が止まってしまいましたが、ひとまず更新。

 

まとまったインサイトは示しきれないですが、不動産を経験して思い浮かんだ「検索ワード」をまとめていくように、やっていきます。

 

 

不動産屋のことがよくわかっていますか?

わかってないです。

素直に白状しますと、自分の学生のときには(といっても、けっこう最近なんですが)不動産屋のこと、よくわからず…というか意識する対象にあらず、といった感じでした。

「関係あるのかな〜」という。当事者意識がまったくない状況。

 

それに加えて、「不動産屋ってあやしいな〜」って思っていました。(今は「あやしい人もいるな〜」という気持ち)

「なんか軽い感じの人が多い」「チャラいな〜」と、賃貸の案内をしてもらいながら思っていたり。周辺の相場感もわからないなか、家賃のエビデンスも示してもらえないことも、もやっとポイントだったり。

 

人生で不動産屋にお世話になるタイミングは数回だったんですが、不信感しかなかったんですね、自分の場合。

関係ないと思っていると、情報が入ってきても取り込まないようで、ぜんぜんわからず過ごしてきました。

 

しかし、いまや僕は不動産屋さんです。なんと。

なので、不動産屋ってどんなものだろう、ということ、どんどんインプットしています(今更!)。今、いろんな本やネットの情報ありますね。精査も大事ですが、どんどんいっております。

 

 

 

不動産「業」のオリジン

今回の検索ワードは「不動産業 はじまり」

調べてみると、江戸時代の長屋経営が不動産業(いまだと賃貸管理っていわれるようなところでしょうか)のはじまりらしいです。

 

大手不動産会社が不動産業についてまとめたページは、以下のリンクをご参照ください。すごい面白いです。不動産は壮大でした。

不動産の「歴史」について|エイブル オーナーサイト

不動産業の歴史 - 賃貸のホームメイト

 

とくにエイブルさんのページ、すごい情報量をきれいにまとめていて凄いですよね…。

建築設計の歴史とは違う、不動産の歴史があるんですね。

 

実質的に現在の不動産業に近い業態がうまれたのは、明治時代だそうです。

 

こんな感じで更新します

 と、いうことで、星新一ばりの短さですが、こんな感じで更新してまいります。

皆さんは、全部しっていましたか?不動産の歴史。

 

なにかひとつでも発見があれば幸いです!

次回もよろしくどうぞ!

不動産島サーチ0 建築学生が不動産業界に直接とびこむ場合

 

いきなりですが、本日のエントリは不動産業にとびこんだきっかけ(など)です。

 

4月末のエントリだと、マイケル・フリードの「芸術と客体性」を読んだ感想など…書くと予定してましたが、こちらはまた改めて更新しますね(今月下旬、弊社メンバー内での勉強会があるということで、そのフィードバックも織り交ぜつつ)。

 

さて、本日のエントリ、はずかしながら自分語りに終始してます。

ブログ数回更新してきましたが、自分が不動産業にとびこんだ理由まとめてないな、と思い至りまして。大学・大学院と建築意匠やっていて、なんでそっち行っちゃったの、ということとか全然かいていなかった。どんな人だよ、という感じのかたも読んでくれている(よんでくれていてほしい…)のに。

自分と似た経歴でも、建築設計以外に将来を見つける人はたくさんいるし、当たり前になりつつあると思うんです。そのサンプルのひとつを観察するつもりで眺めてみてください。

ということで、かなり個人的なエントリになりますが、書き散らしてまいります。

 

 

接点

自分は、工学院大学というところで、学部・修士通して6年間建築デザインの勉強をしてました。不動産業に携わるとは全く考えてませんでした。

不動産業に携わる直接のきっかけは、たまたま、パラレルプロジェクションズというイベントに接点があったことでした。

bunka.aij.or.jp

といっても、出展されてた勝亦丸山建築計画の展示物の製作補助やっており、会場に足を運んだというだけだったんですけど…。開催の5日前まで、イベントのこと全く知らなかったです、たしか。

実際に展示見に行くと、会場においてあるmacのモニターでラップが流れてたんですよね。

これなんですけど。

 

www.youtube.com

 

建築ラップ。会場でもかなり異質な展示だったので、見いりました。さらに衝撃があり、このラッパーの人、不動産やっている人らしい、という…。

 

後にわかったことですが、このラッパーの方(?)、実は創造系不動産のメンバーだったんですよね。ラップ経由で今、一緒に働いてます。すごい。

bunka.aij.or.jp

twitter.com

 

 

不動産を扱う=設計のコンテクストを扱う?

以上のようなことで、創造系不動産との接点がうまれた(というか、勝亦さん丸山さんにつくってもらった)感じなのです。

その当時はちょうど、お世話になっていた木下庸子研究室のほうで、静岡県富士市の遊休不動産活用に関する調査に参加していたこともあって、「不動産に関わることで、デザインできる部分が広がりそう」と自分が感じていた頃でした。 

 

建築設計ではさわれない部分だけど、プロジェクト全体でみると、かなり重要ですよね、土地や物件のポテンシャルって。そこにアクセスできる不動産は、空間デザインのかなり重要な部分を担える。

例えば卒業設計とかアイデアコンペだと、土地の選定も自由にやる場合があるし、そこにもクリエイティビティが発生する。何をやるかと同様に、どこでやるか、は非常に重要視されます。けれど設計の実務の場面で、そこに手をつける機会ってそんなにないし、必要もないとされている気がします(学生あがりの、浅い見識からすると、なんですけれど)。仕事の場面における土地・物件は前提条件だし、デザインで価値をつくるという姿勢においては手をつける場所ではないと。

 

もちろん、設計することを仕事にするうえでは、設計する事の意味を信じきっていないと「根性がたりない」のかもしれません。限られたコンテクストを活かすことで価値が生まれることは確かにあるんでしょう。 

けれど、それだけって勿体ないと思ったんですね。設計の腕力ですべてを解決しなくてもいいし、問題解決の手段は選択できたほうがいいだろうと。そう思うと、不動産は、設計の前段階をデザイン、というか企画する最適な場です。

大手のデベロッパーが成立しているんだからそんなもん当たり前じゃん、という話ではあるんですけど、そんなことにやっと思い至りました。

 

こんなこと思いながら設計事務所いってもしょうがないんじゃない、むしろ不動産をやっている会社に入らないと、という修士2年の冬。アーキテクチャーフォトのジョブボードに創造系不動産の求人情報を見つけたのでした。

job.architecturephoto.net

 

 

 

ケーススタディ

そんなこんなで、現在は創造系不動産のメンバーになっております(もろもろのことは、長いです。端折ります!そのうち書くかもしれません)。

 

ということで今後も、不動産に突然飛び込んだ建築学生のケーススタディを楽しんでいただければと思います。業界のことも全くわからず飛び込んだ人間の末路をつらつらとつづっていきます。

 

 

 

 

また、せっかく長い自己紹介も終えた事ですし、次回からはもう少し具体的なエントリにシフトしていこうと思います。そこでまずは、宅建士のこと、不動産業のさまざまなチャネルについて、まとめようかなと思ってます。

 

次回も宜しくお願いします!

 

 

 

 

 

 

 

 

東京デザインテン

建築クラスタでかなり話題になってますね、東京デザインテン。面白そうなので自分もいってきました。

designhub.jp

しらなかった〜という方、いってみようかなという方、5/21までやってるそうですよ。かなりボリューム満点な展示会でした。おすすめです。

 

10

 

デザインハブ10周年で、10個の視点から東京をテーマにした展示会。それで、デザイン展ではなくてデザインテン、らしいです。ツイッターやブログでもいろいろ意見がとびかってますよね。

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デザインテンのエントランス。巨大な「テンぷら」が出迎えてくれます。デザインを手がけられたのは野間真吾さん(展示全体のアートディレクションもされてるそう)。

 

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会場にはいると、展示の肝である10個の視点が記されたフキダシ。 

 

1:コウツウ

2:サイカイハツ

3:ウンソウ

4:デンキ

5:タワマン

6:イチバ

7:インサツ

8:カンコウ

9:リノベ

10:タコクセキ

 

10個の視点を個別のものではなく、たがいに関係させている展示。…でしたが、その関係性を読み取っていくのは結構大変、かもしれません。

もちろん、展示が見にくいわけではないんです。とっても情報量が多く、それぞれの情報をフラットに会場全体にばらまいてある感じ。その分、それぞれの関係性を知るには、しっかり会場全体のテキストに向き合っていかないといけない。

 

展示全体のディレクターは浅子佳英さん

見るほうを信頼している豪速球な展示っていう印象でした。

 

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めっちゃでかい◯◯◯◯◯の模型。1/100。

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こちらはまた別の模型のクローズアップ写真。けっこういろんなところで揶揄されがちな「アレ」です。

さきほどの模型と同じく1/100なんですけど、より衝撃的。建築設計の勉強していても具体的に学ぶことない対象なので、スケール感をはじめて知りました。

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今話題の市場関係の展示も。

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インサツ。活版印刷の様子を撮影した映像は何時間でも眺めていられる感じでした。ソフト化とかはないんですかね〜。それとスタイロフォームみたいな椅子の感触も最高です。

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リノベ。設計事務所がいきなり現れたみたいな。石膏ボードのメーカー名まで模型で再現しているところ、最高です。

 

 

検索ワードに出会う旅

東京デザインテン、強いインサイトを提示するタイプの展示ではないのですが、だからこそ実際に行ってみるのがいい気がします。

 

展示をめぐっていて思い出したのは、検索ワードに出会う、という言葉。

東浩紀さんが著書の「弱いつながり」で、検索ワードに出会えることが、実際の空間の強みであるっていう主旨のことを書いていた記憶があります。

なんでも検索できる時代だからこそ、検索に使う言葉が多様であることが大事になってくる。そして、検索する言葉を広げていくには現実の空間で出会うしかないという。

 

まさにデザインテンは検索ワードに出会う旅って感じでした。しかも行くたびに展示物が増えていたりするところも、まさに。

 

 

 

みなさんもぜひ会場で、新たな検索ワードに出会ってみてはいかがでしょう。

 

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「伝える」ためのプロトコル

みなさんこんにちは!

 

今回のテーマ:「伝える」

マナーに関する話(「マナー」というプロトコル - 設計以前。追求日記)につづきまして、今回は「伝える」方法がテーマです。

 

コミュニケーションのなかでも、とくに「伝え方」は人それぞれですよね。話し方、文体などは、それぞれの人の魅力になっていたりします。コミュニケーション自体が目的の場合は、その違いが面白い。

 

そのうえで、あえて今回は「伝える」ことをテクニカルな面からとりあげます。

そして、伝える手段としてPREP法・ABC法という2つの話法をご紹介します。加えて、それらの話法に意識的になることで気づいたことも。

 

PREP法はとくに有名な話法みたいです。けれど、自分の場合、なんとなく名前だけは聞いたことがあっただけで、明確に意識するようになったのは入社してから。同じように、なんとなく知ってるけど…という方もいると思うので、簡単に書いていきます。

 

PREP法:説得力を持って簡潔に意思表明する

プレップ、と呼ばれるこの話法。由来は、以下の4つのワードの頭文字。

 

①Point(結論:最初に自分の立場を明確に!)

②Reason(理由:なぜなら〜だから=論拠)

③Example(具体例:たとえば〜のように=根拠)

④Point(再び結論:だから、自分の立場はこれ)

 

以上の順番通りに話を構成するのがプレップのやり方です。自分の意見を簡潔に、説得力を持って伝えるのに適した方法だと言われます。

近い話法だとSDS法というものもあるそう(Summary,Ditails,Summaryの頭文字)。

仕事をすすめていくなかで、自分の立場を明確にしないといけない場面で使います。プレゼンや質問などの際に有効そうですよね。

 

自分も、プレップを意識するようになってきています。

意識しないでいると、考えた順番で話して冗長になってしまったり、自分が何をいいたいのかわからなくなるときがあります。もしくは、正確に伝えようとするあまり、すべてのディテールまで伝え切ろうとして、結局は相手の時間を奪ってしまい、話も前にすすまないときも。

そんなことを減らしていくために、社内での意思疎通でもプレップを意識するようになってきています。

 

しかし、一番おもしろいな、と思ったのはプレップで伝えようと意識することで思考が整理されていくこと。たとえると、思考の締切日が決まる感じでしょうか。

 

 

 

次はABC法にかんして。

 

ABC法:複数人で良い解決法を導き出す

あまり耳慣れない話法ですが、プロセスは以下のようなもの。

 

いくつかの候補(候補A、候補B、候補C)があるなかで…

①私は候補◯◯が良いと思う(結論)

②なぜなら〜だから(論拠、根拠)

③あなたの意見はどうですか(質問)

 

これは、プレップの変奏といっていい話法だと思います。大きな特徴として、相手に意見を聞くことを話法に明確に取り込んでいることがあります。

自分が正しい答えを出そうとするのではなく、ひとまず判断し、立場を明確にする。次に、その理由を会話の相手に明示する。そして、しっかりと相手の意見を聞く。そんな流れです。

 

はじめにABC法を教えてもらったときは、つらいやり方だな、と思いました。なぜなら、複数の選択肢からひとつを選んで判断することに苦手意識があるからです。晩御飯なにがいい、と聞かれるとなんでもいいかなぁ、と答えてしまうタイプなんですよね、自分は…。

ですが、打ち合わせでそんなことはいっていられないので、ラフな考えでも明示することで全体の意見がデベロップしていくきっかけをつくるのが重要、と最近は開き直っています。

 

 

前提として

以上のふたつの話法は、とっても効果的だと思います。

されど、話法を共有・許容してくれるチームでないとうまくいかない。参加するメンバー全員が意識的になっていないと最大限の効果は発揮できない気がします

とくにABC法は、互いの意見をうまく活用することを全員が意識できていないと、つづけるのは難しいんじゃないでしょうか。自分の立場を明確にすることで、相手に嘲笑されたり怒られたりするような環境だったら、話法がどうこうという次元の話じゃないですよね。

 

 

 

 

ということで、今回は「伝え方」をテーマにしてみました。

周囲の理解も得られればなお良いですが、自分が意識するだけでも、スムーズなコミュニケーションができるようになったり、思考に変化がでてきたりするかもしれません。

 

 

 

引き続きやっていきます。

それでは!

 

 

 

 

LC8:ラーニングコモンズ八王子

LC8=ラーニングコモンズ八王子

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「LC8」といえば有名なのは、ル・コルビュジェのスツール。

…ですが、今回とりあげるのは、工学院大学八王子キャンパス新2号館(設計:株式会社INA建築研究所、施工:株式会社フジタ)の1~4階部分のコモンスペース。

 

在学時にこんなところで過ごしたかったな〜という空間でした。

写真盛りだくさんで参ります!

 

 

新2号館 

外観で目にとまるのは、スラブのソリッド感とファサードのルーバー。ルーバーは、同じく八王子キャンパスに立つ総合教育棟(設計:千葉学建築計画事務所 http://chibamanabu.co.jp/ )のものよりも、面的な印象。

 

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LC8エントランス

斜面地に立地している関係で2階がメインエントランスになってます。

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LC8 1-3F

1-3Fのデザインを手がけたのは、飯島直樹デザイン室。

www.iijima-design.com

工学院大学新宿キャンパス学生ホールのリノベーション

新宿キャンパス学生ホールが3/14、コミュニケーション空間「ビーイチ」に変わります | 2014 | ニュース | 工学院大学 Kogakuin University

に続き、八王子キャンパスでもLC8のデザインに参加されています。

それでは、各フロアをみていきましょう。

 

1F LAB

「VRルーム」などいくつかの個室が設けられているフロア。共用部分のテーブルに使われている木材の存在感が目に付きます。塗装や鏡・ガラスのなかで木材だけが生の質感を放っています。

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鏡のイリュージョン。要素がくっついたりはなれたりしていることでうまれるシャープな「陰影」があります

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2F HUB

学生・教員を問わないミングルスペース。

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多様な素材を映し出す、揺らめく天井

歩くごとに天井の様子が変化していきます。フロア全体を映し出す天井は、人が集まる「HUB」の情報量をより増幅する装置かもしれません。(今回は休日に訪れたのですが、平日に学生で賑わっているときにもっとも効果を発揮しそう)

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エレベーターホールからHUBを見る。

ゲートの部分には、二重のパンチングメタルを通した照明。写真だと、そのザワザワ感がわからないのですが…

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天井のランドスケープ

揺らめく像のなかに、いくつもの箱が、リズミカルに挿入されてます。

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箱の中は、別世界

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3F SCHOLA

学生をサポートする学習指導センターの役割を担うフロアー

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グレーイッシュな空間に漆黒の鉄が存在感を放っています。

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4F BIBLIOTECHA 

4Fは図書館の機能を持ったフロアー。

デザインを担当されたのは塩見一郎さん率いるspinoff。

spinoff.cc

 

エントランス

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エントランスからすぐの展示スペース・書棚。

かなりポップな印象。そして柱や展示棚がマッシブな「塊」感があります

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柱。ドーンと「塊」がおいてある気持ち良さ

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向かって左にソロ席。右側のボリューム内には備え付けのパソコンを使用できるブース席。1-3Fと比べるとマッシブな印象。要素の集合ではなく「ひとつの塊」がある感じです

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打ち合わせブース。

こちらも「ひとつの塊」としてデザインされてるように見えます。

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ラウンジスペース。

寝ちゃいますね、これは…

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一転してシャープな印象のミーティングスペース

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個人向けのスペースも充実してます。

至れり尽くせりという感じ…

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 二つの哲学

今回「LC8」を見学し、デザイナーが空間を作っていく際の意図の違い…大げさにいうと「哲学」の違いを感じました。

コモンスペースとしての居心地が素晴らしいLC8。しかしそれ以上に、工学院大学で建築を学び始める方にとって、デザインの効果を比べながら体感できる面白い場になっているように思います!

 

学外のみなさんも

4階の図書館の利用にはカードが必要ですが、その他の階は一般の方の利用も可能な状態です。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

夕方のエントランスに「八王子の月」が窓越しに浮かんでます。

夜に見上げてみたい。

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新2号館の紹介ムービーです。

いいな〜

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